システムエンジニアとしての仕事が自分に向いているかわからない・・・
残業・休日出勤ばかりの現状から抜け出したい
転職を考え始めたものの、やりたいことや理想の状態をイメージできず、なかなか一歩を踏み出せない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私も前職でシステムエンジニアをしていた時、働き方に疑問を抱きつつも行動できずにいたことがありました。過去の私と同じ悩みを抱いているシステムエンジニアの方に向けて、経験を活かして進める道をご紹介します。
- 転職を考え始めたばかり+何から始めるべきかわからない方
- システムエンジニアの経験を活かして転職できる職種を知りたい方
現状から抜け出すための一歩を踏み出しましょう!
システムエンジニア(SE)が転職を意識し始める4つのきっかけ
システムエンジニアが転職を意識し始めるきっかけにはどんなものがあるのでしょうか。実際に私と元システムエンジニアの夫が転職した経験から、以下の4つをご紹介します。
- 給料が低い
- 自身の成長に不安を感じる
- キャリアビジョンが見えづらい
- 労働時間が長い
順番に解説していきます。
きっかけ①給料が低い
1つ目の転職を意識するきっかけは、「これだけ働いているのに給料が低い・上がらない」という給料に対する不満です。
給料が低くなる要因としては、所属している会社が元受けではなく下請け企業であることがあげられます。2次受け・3次受けと下層に行けば行くほど給料は上がりづらくなるのです。
元受け企業のプログラマー(PG)より下請け企業のシステムエンジニアの方が給料が低いこともざらにあります。
私の夫はまさしくこのパターンに該当しており、給料アップのために転職をしました。
きっかけ②自身の成長に不安を感じる
2つ目の転職を意識するきっかけは自分自身の成長に対する不安です。
IT業界の技術は日々目まぐるしく進化していきます。変化をキャッチし、常に自身のスキル磨きをしなければ時代の流れに取り残されてしまいます。しかし当時の私は、最新技術を取り入れる機会・触れる機会がほぼありませんでした。理由としては、以下の通りです。
- 開発手法は社内で確立された同じ手法のみ
- 会社が最新技術の採用に慎重
- 残業+休日出勤でプライベートな時間が少なく自己研鑽にあてられない
自身の成長を実感できる機会が少なかったことから、自分にこの仕事は向いていないと不安になり、転職を意識し始めました。
きっかけ③キャリアビジョンが見えづらい
3つ目の転職を意識するきっかけはキャリアビジョンの見えづらさです。
社内でどのようなキャリアパスを選択できるかはそれぞれの会社によって違いがあります。参考までに私の場合どのような選択肢があり、どのように転職に意識が向いたのかをご紹介します。
このように、社内でのキャリアビジョンを描けなかったことが転職を意識するきっかけになりました。
きっかけ④労働時間が長い
4つ目の転職を意識するきっかけは労働時間の長さです。
例えば私の場合「平日:長時間残業+休日:出勤」で仕事漬けの日々になっていました。そんな中では仕事の楽しさもやりがいも感じることができませんでした。次第にもっとプライベートなことに時間を費やしたり、自己研鑽に時間を費やしたくなり、現状から抜け出したいと転職を考えるようになったのです。
当時の私が最も改善したかったのが労働時間の長さです。
システムエンジニア(SE)向け現状から抜け出すための4ステップ
転職を意識するようになった後は具体的に何をすればいいのでしょうか。私自身の経験から、以下の4ステップで進めることをおすすめします。
- 自分の経験・スキルを洗い出す
- 現状の不満を洗い出す
- やりたいこと・苦痛じゃないことをあげる
- 上記1~3であげた内容をもとに新しい道を探す
自分の未来が見えてくるとともに、過去の経験やスキルに基づいた転職理由を考える材料にもなります。ぜひやってみて下さい。
ステップ①自分の経験・スキルを洗い出す
ステップ1では自分の過去の経験や保有しているスキルを洗い出してみましょう。
自分が今までどのような経験を積んできたのか、俯瞰してみると新しい発見があるかもしれません。参考までに私の場合を例であげると以下の通りです。
過去の経験を振り返っていくと、自然と自分が好きなことや興味があること、苦手に感じていること等が見えてきます。
上記の情報は転職エージェントを利用する際に登録する内容でもあります。エージェントへの登録作業をしながら洗い出していくのも1つの手です。
ステップ②現状の不満を洗い出す
ステップ2では現状の不満や悩みを洗い出しましょう。
洗い出すときのポイントはシステムエンジニアという職種に対しての不満なのかどうかを意識することです。ここを整理しておくとシステムエンジニアとして転職したいのか、異職種に変えたいと感じているのかが判断できます。私の場合は以下の通りです。
- 下流工程の仕事をするのが苦手、かといって上流工程をこなす自信はない
- 高品質を求められるがテストの方法がこれで良いのか不安
- 納期に追われ続けるのが辛い
- 残業や休日出勤が多い
1つ目・2つ目はシステムエンジニアとしての特有の悩み、3つ目・4つ目は労働環境に関する不満といったように分けることができます。
ステップ③やりたいこと・苦痛じゃないことをあげる
ステップ3ではやりたいことや好きなことを考えましょう。やりたいこと・好きなことが思いつかない場合は、これまで経験してきたことについて苦痛に感じたかどうかで判断してみましょう。私の場合は以下の通りです。
- 品質を高めるためにテストのスキルを磨きたい
- 資料を作成するのは好き
- 会計に関する仕事にも興味がある
- モノづくりに少しでも関わっていたい
- 一人でもくもくと作業をする時間は嫌いじゃない
やりたくないことや苦痛なこと、苦手と感じていることばかり思い浮かんでしまう場合は、以下のような考え方も参考にしてみて下さい。
口頭で説明する:苦手×苦痛
➡ 文章や資料で伝える:得意ではない×苦痛ではない
ステップ④ステップ1~3であげた内容をもとに新しい道を探す
最後にステップ4ではステップ1~3であげた内容を並べて関連性を探してみましょう。例えば私の場合、以下のような関連性が見えてきます。
- ステップ1:システムエンジニアとして要件定義から運用保守まで一連の業務を経験
- ステップ2:高品質を求められるがテストの方法がこれで良いのか不安
- ステップ3:品質を高めるためにテストのスキルを磨きたい
- ステップ1:会計を専攻、日商簿記検定2級取得済み
- ステップ2:-
- ステップ3:会計に関する仕事にも興味がある
パターンAの場合はシステムエンジニアとしての経験を活かした転職、パターンBの場合は未経験での転職といったように、どういった方向で転職をすることになるのかが見えてきます。
ここでのポイントは、必ずしもステップ1~3までを繋げる必要はないということです。
例えばステップ2であげた「資料を作成するのは好き」の気持ちが一番強いのであれば、ステップ1や3の要素はないけれども、未経験で自分の強みを活かした転職という道を考えるのも1つの手です。
転職活動の際、必ずと言っていいほど転職理由を聞かれましたが、この内容が整理できてからは全く困りませんでした。経験やスキル、強み(好きなこと)に紐づいた前向きな転職理由だと説得力もあり心証も良いと思います。ぜひやってみて下さい。
システムエンジニア(SE)の経験を活かした転職方法
過去の経験やスキルを整理できたら、次は自分の想いにあった仕事について調べていきましょう。システムエンジニアの経験を活かした転職方法としては以下のようなものがあります。
- システムエンジニアとして転職・独立
- 他社へ転職
- 社内SEとして転職
- フリーランスSEとして独立
- 異職種へ転職
- IT系の営業職へ転職
- Webエンジニアへ転職
- ITコンサルタントへ転職
- QA(品質保証)エンジニアへ転職
同業界を選ぶか異業界を選ぶかでも環境は大きく変わります。上記の内容と掛け合わせ、自分がどこに行きたいのか考えてみましょう。
システムエンジニアとして転職・独立
システムエンジニアとしての仕事自体に不満がない方におすすめなのは以下の3つです。
- 他社へ転職
- 社内SEとして転職
- フリーランスSEとして独立
他社への転職
給料に不満がある方におすすめなのは同業他社への転職です。大手Slerや1次受けSESへ転職できれば給料アップが見込めるでしょう。上流工程やプロジェクトの全体管理を担うことができれば、キャリアアップにも繋がります。
仕事内容に不満はないけれど少し違うことにもチャレンジしてみたい方は異業種へ目を向けてもいいかもしれません。異業種であったとしても同じ職種のままの転職であればこれまでの経験を強みにすることができます。
社内SEとして転職
顧客対応へのストレスや納期に追われながらの作業から逃れたい方には社内SEがおすすめです。社内SEとは自社のシステム運用や管理を担当するポジションで、プロジェクトの上流工程を経験することができます。自社のシステム管理ですので無理な納期になりにくいのも特徴です。
顧客対応の可能性は減りますが、その代わり社内への調整が必要となってくるため、コミュニケーション能力は必須です。
今いる会社で社内SEの部署がある場合は異動するのも手ですし、他社へ社内SEとして転職する手もあります。社内SEの場合も、これまでの経験を活かすことができるでしょう。
フリーランスSEとして独立
自由な働き方を求めたい方にはフリーランスのシステムエンジニアがおすすめです。会社員とフリーランスでは働き方だけでなく契約形態や社会保障制度等も違います。
以下にメリット・デメリットの例をあげましたので確認してみて下さい。デメリットの内容に対して不安や苦痛をあまり感じないようであればフリーランスという道を選ぶのもいいかもしれません。
(例)フリーランスエンジニアのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
収入に上限がない 好きな仕事を選べる 働く時間・場所を自由に選べる 人間関係のストレスが減る | 収入が不安定 自分で仕事を探し続けないといけない 福利厚生が充実していない 仕事獲得や雑務に手を取られる |
異職種へ転職
システムエンジニアとしての経験を活かしつつ異職種へチャレンジしたい方には以下の4つがおすすめです。
- Webエンジニアへ転職
- IT系営業職へ転職
- ITコンサルタントへ転職
- 検証エンジニアへ転職
Webエンジニアへ転職
システムエンジニアの仕事の中で特にコーディング作業が好きな方にはWebエンジニアがおすすめです。WebエンジニアとはWebサイトやWebアプリケーションを開発するエンジニアのことです。システムエンジニアとWebエンジニアの仕事内容の違いを例にあげると以下の通りです。
(例)システムエンジニアとWebエンジニアの仕事内容の違い
システムエンジニア | Webエンジニア | |
---|---|---|
プロジェクトの規模 | 大規模 | 中・小規模 |
コーディング作業の有無 | 無 ※コーディングはPGが担うことが多い | 有 |
主な開発手法 | ウォーターフォール開発 | アジャイル開発 |
システムエンジニアでかつSIer企業に所属している場合、コーディング作業は下請け企業やプログラマーに任せることが多いため、自身でコーディングする機会が少なくなります。またウォーターフォール開発よりもアジャイル開発の方が柔軟性やスピード感があります。
開発力がありコーディング作業をずっと担いたい方や、柔軟性やスピード感を持って仕事を進めたい方はWebエンジニアの方がマッチするでしょう。
IT系営業職へ転職
人とコミュニケーションをとることが好きな方にはIT系営業職がおすすめです。仕事内容はクライアントの課題を聞き出し、課題解決のために最適なシステムを提案することです。システムエンジニアの経験があれば、システム設計や運用に関する深い知識を活かしてクライアントから信頼されやすい提案ができます。技術的な知識に基づいた提案ができることは、営業として武器になるでしょう。
ITコンサルタントへ転職
人とコミュニケーションをとることが好き、かつキャリアや給料アップに対する意欲が強い方にはITコンサルタントをおすすめします。
顧客の課題解決に向けてITの知識や技術を用いて提案することはIT系営業と同じです。違いとしては、IT系営業は課題にマッチした自社製品やサービスを提案するのに対し、ITコンサルタントは課題解決に必要なら他社製品の紹介や協業することもあるという点です。
高度な専門知識とスキルが必要になる、DXの広がりにより需要が拡大している等の理由から給料アップの可能性は高まりますが、代わりに長時間労働になる可能性も高くなります。労働時間に重きをおいている方は注意が必要です。
QA(品質保証)エンジニアへ転職
「業界も職種も変えたい!でもこれまでの経験は活かしたい!」という方や、開発をしている中で品質向上に課題を感じている方にはQAエンジニアをご紹介します。
実際私がエージェントにすすめられて進んだ道がこのQAエンジニアです。QAエンジニアとは、以下のような製品の品質を高める活動を担うエンジニアです。
- 欠陥がないことを確認する
- 仕様通りに動作することを確認する
- ユーザーのニーズを満たしていることを確認する
開発スキルとテストスキルは別物です。システムエンジニア時代もテストを行っていたつもりでしたが、QAエンジニアになってから当時の私がいかにテストに関する知識を持っていなかったかということを実感しました。
このように未経験でQAエンジニアに転職した私ですが、システムエンジニアとして開発やテストを行っていた頃の経験は活かせている実感があります。
品質を高める活動をしたいと思っている方、営業や開発ではないところでモノづくりに関わりたいと思っている方はぜひこのQAエンジニアも検討してみて下さい。
まとめ
本記事では、システムエンジニアの経験を活かして転職する際にどのような道があるかについてご紹介しました。
転職を意識し始めただけでまだ何も行動できていない方は、ぜひ自分の気持ちを整理し一歩を踏み出してみましょう。想像していなかった未来に出会えるかもしれません。